=第三章・第五部= |
「いらっしゃいませ、御用はいかほどでしょうか?」 カウンターについた瞬間、軽やかな声と共に、…なぜか、そこにはエプロンドレスにフリルカチューシャ、 …そう、どこをどう見ても、メイド、っぽい服装の女性が鎮座していた。 「学校…ですよね?ここ」 学校であるから、…こそ、その不自然ないでだちに、少々、面くらった昭汰は、少し周囲を見渡した。 もちろん、そうした所で光景が変わるとは思えない。が、そうせずにいられなかったようだ。 昭汰のそんな漏らした言葉へ「くすっ」と微笑んだ、メイド衣装の女性が、ペコリとお辞儀した。 「もちろんです。当学園は、私立原線路界第二学校でございます」 丁寧な挨拶に、少々、怖気つきながら、…昭汰はその女性を見下ろしながら、「はあ」とだけ、生返事を返す。 「私は、ナツ・ナサリナと、申します。ナツとお呼びくださいませ。…それでは、お客様。今日はいかな御用でお越しいただいたのか、これにご記帳いただけますか?」 |