=第三章・第九部= |
「マスターって、事は、つまり、奈右闇君が、やっぱり、主人なのですか?」 ふと、昭汰がそんな事を呟く。…と、ナツと奈左水が少しだけ足を止めた。 「…まあ、そうね」そして、小さく、息を吐いた後、奈左水がクスッと笑った。 「一応、[ShadowBlain]の…総指揮代理だからね。ナウは…」 「そんな人が、高校生…ですか。凄いですね…。僕とえらい違いだ…。むしろ、学校なんて、いかなくてもいいんじゃないんですか?」 ふと思った事を、なんとなく呟く昭汰に、ナツが振り向いた。 「この世界では、頭の良さを示すためには、それなりの経緯が必要となります。如何な勉学に富んだマスターといえど、それに例外はありません。その経緯を収得されるために、マスターは通学をしております」 その言葉に対しての答えを聞いて、昭汰は「なるほど」だけを返してみせる。 「ふふ、あなたの方がよく知ってるんじゃないの?肩書きが必要なことは…」 「…そうですね、…」 次いで、告げられた奈左水の言葉に、彼は小さく答え…、窓から臨める空を見つめ、…もう一度だけ、言葉を漏らした。 「そうですね」 と、… |