=第四章・第六部=
=4日目=

 

「そういえば、あまり見かけませんね。町民の皆さん」
 それは、少し感じる疑問であった。…

 あれから、ちょっと歩いた後、定番といえば、定番な杉田の喫茶店に向かい、まずはコーヒーをもらうという、…そんな事をしてる最中、昭汰がその言葉を漏らす。
「…そうですね。老人の方が多いから、…あまり商店を歩く人も少ないのはありますよ…」
「…まあ、過疎化の進んだ町なら、確かに…」
 杉田の言葉に昭汰は、そんな言葉を漏らしたが、…ただ、が続いた。
「ただ、あんな大きな学校に多量の生徒達がいる割には、…その、寮の人がほとんどだとしても…、なんだか、この町の活気があんまり感じられないっていうか…。」
「…、…そうね…」
「あ、いえ!…でも、あの…」
「本当に人数の少ない町よ…。町なんていって、本当は村みたいなもの…ううん、村でも…言い過ぎかも…」
「じゃあ、…」
「だから、言ったでしょ。生徒達が足を運ぶから、そういう意味ではお店は成り立ってるのよ」
「あ、ええ、まあ…」
 こんな小さな町だから、こそ、…たまに井戸端会議でもする姿があれば、町を感じるのに、
 今日で4日目、…町中でそういった光景を目にしないのは…やはり、どこか不自然さを感じるのだ。
「…」
 疑問のある不思議な町…。それが…いまだ払拭できないまま、…店の中で時間が過ぎていく。


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