=第四章・第七部= |
「ハロ〜、おば様〜」 カランカランっと、ドアベルと共に軽やかな声が店内に響いた。 「ありま、珍しい〜お客がいる〜」「ふふ、いらっしゃい、そろそろだと思ったわ」 と、来店したのは、…前日、学校の食堂で見かけた。… 「奈々美さん?」「お、え〜っと、そだ、手品師!!」 昭汰の言葉に、ビシっと指差す奈々美。へ、昭汰は、ただ苦笑を返す。 「栗本昭汰です。よろしく」「私は九白奈々美。よろしく〜」 元気のいい受け答えに、そういえば、奈左水の言った[有名な頭のネジがおかしいお馬鹿]という単語を思い出した。…が、とりあえず、昭汰はニコっと返しておいた。 そんな奈々美は、タタ〜っと走ってきて、昭汰の隣に座ったかと思えば、1000円札をポンっとカウンターに置いた。 「はいはい」杉田はクスクス笑いながら、奥の冷蔵ショーケースからいくつかのカップケーキとショートケーキを取り出し、トントントンと彼女の前に置いていく。 ちょっと不思議な光景に「?」を浮かべる昭汰へ、杉田は「あれよ」と、指差した。 -火曜日、ケーキ食べ放題 ¥1000- 手書きの簡単なケーキの絵を入れたチラシが壁際に飾ってあり、昭汰は納得した。瞬間、 |