=第五章・第七部= |
もう明日には文化祭である…。 にも関わらず、午後も勉強をしているというのは、正直、昭汰の過ごした学校生活を考えると、進学校というものはこういうのだろうな…。と感じてはいた。 もっとも、文化祭の展示を行うのは、一階の教室だけという事なので、普段はその教室を使っている学生は上の階の特別教室を利用していると言うことだが…、…。 「改めて思うけど、凄い学校だな…」 「そうなのですか?」 半歩後ろを歩くラナは、昭汰の呟きに問いただす。 「そりゃそうだよ…。一階にあるクラス数だって、15個あるんだよ…。そのクラス全部、特別教室で授業させて、文化祭用に空けるなんて、聞いた事ない…」 横目で見ると、既に飾り付けの出来た教室ばかりが並び、…明日にでも賑やかしい雰囲気を醸し出すのだろうか…。 それとも、こんな田舎町なのだから、さほどの人数も来ないかもしれない…。 とはいっても、正直、今の昭汰にはさしたる事ではない…。 むしろ、本番の日が近づくほどに、どんどんと動悸が異様な雰囲気を醸し出していた…。 奈右闇や兎萌、…その仲間達も、昭汰の芸に賞賛を送ってくれた…。が、… 「あの、昭汰様?」 |