=第六章・第六部=
=6日目=

 

 昭汰が少しばかり高鳴る鼓動を抑えながら歩く。
 その半身後ろにラナが付いて歩くのを顔を少しかしげながら確認した後、「そういえば、今日はナツさん以外にも、たくさんの方がいましたね…」と、問いかける。
「ええ、」そんな彼の質問へラナは満面の笑みを見せて、その答えを口にした。
「実は、この町には、これほど大きなお祭りが他にありません。ですので、私共姉妹も、協力して盛り立てているのですよ」
「…、…」
 彼女の「姉妹」という言葉に、昭汰は心の隅に何かを引っかかった感触を覚える。
「姉妹…、…」
 ナツとラナを見比べると、…姉妹としては、年の離れたと考えれば、…無理に納得の出来る範囲かもしれない。
 ただ、あそこにいたメイド達はどう見ても、5人ほどいた…。その風体は、姉妹で囲うには、どこかおかしさを感じた…。
 肌の色も褐色の人もいたが、その瞳の色も、赤、緑、青、黄土と別々で、その髪色も皆、違う…。
「…、…」
「どうされました?昭汰さん」
 考え事で足の進みが遅くなったのだろう。ラナが声小さく問いかける…。
「いや…、何でも…ないよ」
 彼女の答えへは、そう呟いて、少し硬さの残る笑みを返す昭汰は、少しだけ歩く早さを上げ、食堂へと向かったのだった。

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