| 「ほら、ナウがああ言ってるんだ。もう少し、シャキっとしなよ」 「久美、さん?それに、知美さん」
「だから、言ったでしょ。私は、…この町を出れないって」
「まあ、おばさんの歳じゃ、もう出たくても、社会適合しないしね」
「ふふ、言ってくれるわね。その台詞、あなたは100年後に味わう事になるかもね」
「…、…」
「昭汰さん、サードとセカンドの明確な違いは一つあるのよ」
「そそ、こう見えて、おばさんは、もう200歳を超えてるのよね」
「200…」
「セカンドの人間が長命という訳じゃない。魔法を使わなければ、それほど長生きをする事になる」
「魔法は便利な事もないのよ。自分の寿命を削って、初めて、使えるの」
「外で生活をするという事は、つまり、魔法をこの学園で訓練消費を行い、年齢に見合う程に寿命を梳る必要があるの…。私は、もう歳を取りすぎたから、…駄目だけど」
「知美さん」
「もしも、私がサードとして、生まれていたら、…よかったのに」
「昭汰さん、1週間ほどだったけど、楽しい手品、ありがとう。奈々美も楽しかったってさ」
「久美さん、ありがとう。僕のつたない手品だったけど、それでも自信がついた気がする」
「これからも、がんばって」
「覚えてないかもしれないけど、これからも、私達、あなたの事を応援するからね」
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