=第二章・第一部=

=[超時空要塞MACROSS/帰還]=

 

 グローバル艦長はフォールドの影響を振り払うように頭を振る。
「どうやら、上手くいったようだな…」自分の体が五体満足である事に安堵し、少しだけ吐息を洩らしつつ、…きっと目を見開き、威厳深く声を上げる。 「ヴァネッサ君、現在の状況を確認」
「はい、艦長」
 グローバルの言葉に綺麗に短くまとめた栗色の髪の女性、ヴァネッサが行動に移る。
「艦長」ブリッジから辺りの状況を確認する為、窓辺に歩む艦長に黒人のオペレーターが声を荒げる。
「周囲に敵機の反応。及び、無数の浮遊物が存在します」
「………早瀬君、至急、迎撃体制」
 オペレーターの言葉と窓から覗く光景に…一瞬慄くように息を呑んだグローバル。…は、ゆっくりともう一人のオペレーターである未沙に命令を下す。
「はい!デルタ1よりヴァルキリー各部隊へ!周辺区域の残存兵力の掃討を行ってください!」
 そんな彼女の目にも…艦長と同じモノが浮かぶ。…凍りついた…島………南アタリア島の慣れの果てが………

次に進む/読むのを終了する