=第二章・第三部=

=[超時空要塞MACROSS/帰還]=

 

「か、艦長…」
 情報を収集していたヴァネッサが、震えながらも響く声を洩らす。
「どうしたかね?ヴァネッサ君」
 再び、目前で広がる戦闘の炎を尻目にグローバルは踵を返し、近づいた。
「…星を確認しました…」 「当然だとも、我々は月の裏側に飛んだのだよ」
「月ではありません」落ち着かせるように話しかけたグローバルにヴァネッサは言葉を続ける。
「冥王星です…」
「何!?」ヴァネッサの言葉とグローバルの驚嘆に、オペレーターの全てが二人の方に視線を向ける。
「冥王星だと!馬鹿な」
「間違いありません!冥王星です」
 再確認を行った彼女は、グローバルの疑問を一蹴する。
「艦長…」「艦長!」
 ヴァネッサと隣接する席のオペレーター二人が、不安そうに振りかえる。
「まあ、待て待て」グローバルは三人の不安を押さえるように平手をかざし、平静をもって、言葉を続けた。
「フォールドによって、ここに飛んだのだから、再度フォールドを行えばいい訳だよ。慌てるほどの事ではない」
 そう喋りながらも、彼自身、動揺を収めようとしているのだろう。
 …ただただ、その管制塔の混乱を彩るように、外での戦闘の輝きが管制塔に注ぎ込んでくる。

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