=第二章・第五部=

=[超時空要塞MACROSS/帰還]=

 

 数時間、船外の物を収容し続けたためにアームドの格納庫に搬入物を奥に運び込む作業車が行き交っている。
「やれやれ、やっと終わったよ」
 そんな中、スカル11のパイロットがタラップに降りて、一息をつく。
「おう、輝。お前も終わったか」
「フォッカー先輩」
 スカル11のパイロット、一条輝が、俺の横に立つスカルリーダーであるロイ・フォッカーの言葉に調子の良い感じの返事を戻す。
「しかし、なんでまた…あんな残骸を…」
「フォッカー少佐。どういう事でしょうか?」
「…その事なんだが…」輝と俺の南アタリア島の残骸を収容する訳に少々眉をひそめる。
「どうやら、フォールドは失敗。ここは月の裏側ではなく、冥王星だということだ…」
「冥王星!?」
 輝が、その答えに素っ頓狂な声を上げた。
「まあ、俺達の体が無事だっただけでも、良かったと思うべきだな…」
「そんな………」
 茫然自失とする輝。に、ガシン!と首を絞めるように腕を廻すフォッカー。
「とりあえず、腹を満たそうじゃないか。ぇえ?輝よぅ〜。腹が減っちゃ、戦もできねえし、これからの事も考え及ばなくなるってもんだ」
「いたた、先輩。痛い、痛いって…」
「というわけで、お前もどうだ?腹が減っただろう?」
 不意に話題を俺の方にも振る。もちろん、断る理由など見当たらないので「そうですね」と、俺は賛同する。
「おし、決まりだな」フォッカーをにやっと笑い、二人を連れて、格納庫を後にした。

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