=第三章・第一部= =[超時空要塞MACROSS/変形]= |
「通信室より緊急伝令!」後ろで鎮座するグローバル艦長に向かって、振り返る未沙。 「5時の方向にて、異常エネルギー波を感知。敵艦のフォールドと考えられます!」 声色高く言い放つ彼女の声が静寂に包まれていた司令塔に響き渡る。 艦長は、その言葉に唇を歪める。主砲の対処策が講じられる間もなく、…攻め入られたのだから… 「さらに伝令。敵艦より艦載機が多数発艦との事!本艦に向けて接近、急速に展開中」 「ヴァルキリー部隊、発艦。至急、迎撃体制に入れ。デストロイド部隊も各ブロックに配置」 即座に艦長は指示を出す。同時に、美紗は艦内緊急放送を発令する。 「なんとしても、主砲を使わずに…撃退したいものだが…」 苦渋を噛み締めつつ、窓の外を見る。その星々と共に浮かぶマクロス艦から…数個の青い軌跡が飛び、その中へと消えていく。 艦長は、その軌跡を目で追い、ただ一つの欠ける事のない帰還を願い、目を閉じた。 |