=第三章・第三部=

=[超時空要塞MACROSS/変形]=

 

「デルタ1よりウルト小隊へ!B3エリアに敵機侵入、至急迎撃に回ってください!」
「デルタ1よりソロモン小隊へ!それ以上の進行は危険です!D5エリアに後退して、イフリート小隊と合流!迎撃を行ってください!」
 怒号とも言えるオペレーターの声が飛び交うマクロスの指揮管制塔。
「艦長!第一次防衛ライン、持ちません。このままでは、…!」
「!ぐくぅ…っ!」  にじりと垂れる脂汗を気に留めず…グローバル艦長は、…指揮を待つように自分を見る未沙に…言葉尻を濁らしながら、声を発した。
「これより、トランスフォーメーションを行う!各部署に通達!及び、民間人へのトランスフォーメーションの旨を報告!」
「艦長!」
「時間がない!ヴァルキリー部隊には、主砲軸線上へ敵機を誘い込むように伝えろ!一機でも多くだ!!」
「わ、分かりました!」
 艦長の言葉に未沙は跳ね上がるようにマイクへ向き直り、傍らに座るクローディアへ目で合図を送る。
「こちらマクロス管制、各部署に通達!これより本艦はトランスフォーメーションを行う!関係部署はただちに行動を行ってください!」
「デルタ1より全ヴァルキリー部隊に告げる!これより本艦はトランスフォーメーションを行い、主砲発射体制に移行する!各機、主砲軸線上に敵を撃破しつつ、誘導を行ってください!」
 クローディアも未沙の合図にうなずき、マイクを取り、続いて未沙も矢次早にまくし立てる。

 その光景に、グローバル艦長は口元を歪ませる。
 その頭の中にはこのような事態に巻き込んだ「民間人」への謝罪の念でいっぱいであったが、…今はダメだと振りきるように頭を振り、前を見据える。

 前方に望める戦火を見つめ…呪うように…

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