=第三章・第六部=

=[超時空要塞MACROSS/変形]=

 

「ほ、本当に変形している…」

 少々、俺は輝の言葉に飽きれた表情を見せる。戦上の真っ只中に置いて、彼は、母艦の変形を見ているようだ。
 もちろん、戦闘中の端々でなんとなく視線に入るその光景には、俺も驚きを禁じえない。

 小島ほどある船体が形を変えていく。
 中央の司令塔を中心に両肩に大きな突起を生やした人型へと変えていく。まさにその光景は…圧巻である。

「無駄口を叩くな!敵は待っちゃくれんぞ!」
 インカム越しに当然の事ながら、隊長のフォッカーの罵声が飛びこんできた。
「マクロスの完全変形までの残り400秒弱、マクロスの12時軸線上に敵を誘い込み続けろ!今が正念場だ!」
 やれやれと、思いながら…了解の応答をしようとした矢先、フォッカーが言葉を続ける。
「スカル11!無事に帰ったら、その青っ尻、無駄口の罰で引っぱたいてやるからな!覚悟しとけ!」
「ちょ、せ、先輩!」
 正直、緊迫感のない二人のやり取りに、二の句も上げれないが…俺は、「スカル7、任務続行します」とだけ答え、インカムの通信を終え、…そして、蝕んでいくように響く…死神の囁きに耳を傾けていった。

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