=第三章・第七部=

=[超時空要塞MACROSS/変形]=

 

「マクロス右翼部変形率79%、マクロス左翼部変形率83%、残り180秒、トランスフォーメーションによる不具合は見受けられません」
「マクロス主砲エネルギー充填率82%、発射体制完了まで残り190秒」
 未沙とクローディアの交互に示される情報にグローバル艦長は頷きを見せる。
「よし、ヴァルキリー部隊を軸線上より離脱開始、変形終了後、主砲発射!」
「了解!デルタ1より全ヴァルキリー隊に告げる!主砲発射まで残り180秒、軸線上より離脱を行ってください!!」
 艦長の言葉を復唱するように未沙はインカム越しにヴァルキリー部隊へと指示を向ける。



 その通達より、…一分がすぎた。…
「こちら、デルタ1。こちら、デルタ1!!スカル7、応答願います!スカル7!!応答なさい!主砲軸線上より離脱しなさい!!」
「スカル7…」他の隊の支持を行う、エマの耳に…怒号の未沙の指示の言葉に手を止める。
「あの人…?」
 面を上げ、未沙の方を見た。明かに狼狽の色が隠せない焦りを見せている彼女に、異常な状況だと理解した。
「こちら、デルタ1!スカル7!!何をしているの!!応答なさい!!」
「早瀬中尉!!」エマはインカムを通して、未沙に話しかける。
「私が、…私がスカル7に連絡を送ります。中尉は主砲発射の準備を行ってください」
「あなた………いえ、…分かったわ。お願い」
 少し、戸惑いの声が未沙から返ってくるも、エマの表情に、心感じるものを持ち、未沙は頷いた。
「…」インカムを一度切り、エマは大きく息を吸う。
 スカル7への音信可能のスイッチを入れた。
 インカム越しに響く爆音…。彼の今の状況下を感じられた。
 口元に押し当てるつもりでインカムの位置を指で修正し、そして、彼女は今一度、大きく息を吸った。

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