=第三章・第八部=

=[超時空要塞MACROSS/変形]=

 

 満天の星空の中、爆炎という花火が俺の周りを彩っていく。
 まるで星々が破裂するように…

 …モットダ、…モットヨコセ、イノチヲ、イノチヲ!!

 光景に奮起する死神にニタつく俺がいる。忘れえない甘美の賞賛に酔いしれる。
 赤に黄色と彩り豊な爆発を吸収する瞳はしだいに暗黒に変わりいくのを感じ、たまらない快感だった。
 戦闘に邪魔で耳障りな声もやんだ。それがなんであったかなど…

 ドウデモイイコトダロウ?

「そうだ…どうでもいい事だよ…」
 俺は、微笑んだ。ここに望んだ世界がある。
 ここに俺が幼い頃に見た光景がある。
 落ちつく光景…だ

 爆炎が再び前方に上がる。

 モットダ、モットダ!モ…ットダ!!

 … … …

「… … …ブン…」

 光と闇の渦巻く中、…死神の声さえかすみだした…そんな時、微かに…脳波を揺さ振った。

「…カル…ル7!ス…7!応答…だ…い!」
 耳障り…ではない…響きが光を呼び戻してく。飛び散る物が鮮明に蘇り、自分の眼前に色をつけ始めた。
「スカル7!主砲発射まで後120秒を切りました!至急、退避を!スカル7!!応答願います!!」
「主砲…」
「スカル7!そうよ、もう発射体制にはいったの!早く、退避を」 
 俺の虚ろな答えに…インカム越しからさらに悲鳴に近い返事が返ってくる。
 俺の眼前にいよいよ…色が戻った。激しい爆発と敵機の猛追が眼前に広がる。
「こちら、スカル7。了解」
 めまいにも似た感覚を受けながら、俺はラダーを切る。
 追いかける敵機を蹴散らしながら、半分、意識定かでない頭を振る。
 その片隅に…死神の舌打つ声が聞こえたような気がした…。

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