=第四章・第三部=

=[超時空要塞MACROSS/アポロ小隊]=

 

 満天の星空を360度展開した世界、ある意味では飛行機乗りとしては、最高の世界だろう。
 どこにいこうとも自由であり、どこまで求め、飛んでいける世界。
 それは、歩く事しかできなかった人間への神様の許してくれる罪だろう。
 ただ、それが戦いでのために、飛ぶことは、…果たして、許してもらえるのだろうか…。

「アポロ小隊、発進スタンバイ」
 オペレーターの言葉が俺の耳に響く。発進の待つ間、空を見つめていた俺はスロットを引く。
「アポロ2、準備完了」「アポロ3、発進準備完了」
「アポロリーダー、発進スタンバイ完了、アポロ小隊、発進します」
「視界オールグリーン、アポロ小隊、発進」
 オペレーターの合図と共に、俺はフルスロットルで引く。
 地球上での重力抵抗はないものの、マシンの戦慄きで機体がゆれる。
 振動による軽いベルトの圧迫感を感じながら、俺達の機体が飛びだった。
 土星の浮かぶ…この大空へ

「スカルリーダーより各機へ!これより迎撃フォーメーション17に移る!!いいな」
「アポロ3、了解」「アポロ2、了解」「アポロリーダー、了解」
 前方空間、いまだ視認はできないが、レーダーでははっきりと捕らえられる機影を見つめ、指示を出すフォッカー。
 まずは、先制迎撃としての攻撃、制動による遠距離の拡散ミサイル攻撃。
 燻る心の闇はまだもたげない。…こんな事では、死神の鎌は持ちあがらない。
 放たれたミサイルは幾何学的な線を残し、…レーダーの着弾を示すモーションが起こった瞬間、前方に炸裂光が広がった。
「やったー!!」
 ミサイルの着弾の視認にスカル大隊に所属している兵士の一人が歓声を上げた。
「喜ぶのはまだ早いぞ!!これより迎撃に入る。各機、散開して、逆噴射にかかれ!!」
 もちろんの話だが、フォッカーにより一喝を入れられ、矢次早に指示が飛ぶ。
「アポロ2、3、気を抜くなよ!!」
「はい、隊長」「隊長殿、いきます!!」
 後ろに突き出たノズル口を逆間接のように前へと突きだし、ガウォーク形態での減速をはかりながら、ミサイルによって打ち洩らした敵機をサイトに捕らえていく。
「アポロ小隊、アタック!!」

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