=第四章・第七部=

=[超時空要塞MACROSS/アポロ小隊]=

 

「艦長、敵主力艦隊の機影が見当たりません」広域レーダーを監査するキムが報告にはいった。
「敵機影は、おそらく土星のリング部分に潜んでいると思われます。浮遊物が多く、レーダーでの探査は不可能ですから」
「そうか…」艦長が、報告に眉をひそめ、眼前に広がる戦闘光を見つめる。
「危険ではあるが、エリントシーカー…探査ヴァルキリー機を飛ばすか」
「そうですね…」早瀬は、不安なものの、指示ランプを見つめながら、受け答える。
「ですが、…あのリング内にも敵が潜んでいない…はずがありません。…人選を選ばなければ、…」
「うむ…そうだな」
 早瀬の言葉に、艦長も言葉を濁す。
「艦長」不意に、クローディアが口を挟んだ。
「アポロ小隊、アポロリーダーはどうですか?」
「クローディア、それは…」
 クローディアの言葉に、一瞬、口元をすぼめる早瀬に首を横に振る。
「もちろん、彼の性質は知っているわ。一人で行動させる危険性はあるけれど、…単体での実力は、スカル大隊リーダーも認めてる事よ。それに今、彼はマクロス艦内の侵入敵の排除についていて、もう少しで終りそうなのでしょう?」
 クローディアの言葉に早瀬は少し黙り、それから、言葉を続ける。
「じゃあ、オペレーターは?…危険な任務よ。…敵は何体が潜んでいるか分からない…、命の保証はまったくない」
「………仕方あるまい」艦長がその二人の間に言葉を挟む。
「志願者がいないか、各オペレーターに通達と、艦内掃討が完了しだい、アポロリーダーに指示」
 艦長の指示に…早瀬は小さく頷き、インカムを手に取った。
「オペレーターに緊急、今よりエリントシーカーによる敵旗艦の探査員の志願を募ります」

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