=第九章・第九部=

=[超時空要塞MACROSS/ボドル基幹艦隊]=

 

 マクロスを狙っていた戦艦に最後の反応兵器を打ち込んだ俺の元へも、ブリタイの通信が届いていた。

「…」俺は歌に聞き入っていたわけじゃない…。
「…それでも、あきらめなかったからだ…」
 それでも、涙が溢れそうになる…。

 悔しさもあった…。待たずして、逝った二人の姿を思えば…、待たずして、逝ったフォッカーを思えば…、

「まだ、駄目だ」…食いしばり、涙を止める。

 その視線の先に、巨大な旗艦が見える。

「こちら、デルタ1。アポロリーダー、スカル1」エマの通信が届く。
「作戦変更です。両名は、マクロスブリッジ周辺へ戻ってください。これより、ボドル旗艦に突入し、ゴル・ボドルザーの撃破任務についてもらいます」
 モニターに映るエマへうなずき、その隣のモニターに映る一条のうなずきをみる。
「僚機、ブリタイ艦隊の情報により、ボドル旗艦中のボドルザーの所在が分かりました。ボドル旗艦にマクロスで乗り込み、近辺へ侵入、そこよりボドルザーへ向かってください」
「スカル1、任務了解、一時帰艦します」
 一条の言葉を聞き、…かみ締める。

  お前ともこれでお別れだ、死神

「アポロリーダー?」エマが再通信してくる。
「終わりにしよう、エマ」彼女へ、そう呟き、そして、モニターを見た。
「アポロリーダー了解、任務遂行のため、マクロスへ帰艦する」

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