=第十章・第六部=

=[超時空要塞MACROSS/ゴル・ボドルザー]=

 

「ヤック!デ:カルチャー…」
 ヴァルキリーの爆発による煙の中、ボドルザーがうめく。
 ケースが粉々になり、その顔全面にはヴァルキリーとケースの残骸が突き刺さるも、…ボドルザーは生きていた。
「…」
 視界の煙がはれていく…。眼前にフォログラフィに映るミンメイの姿があった。
 その歌は後編の最高潮を迎えている。
「…ウオ」
 煙が消え、鮮明に映る画面の中央から一機のヴァルキリーが突っ込み、バトロイドに変形した。
「オオオオ!!」
 赤いマーク線を引いた輝のヴァルキリーが、ガンポッドとS型の対2の頭部レーザー砲4門、そして、ストライクパックに備わった二連装高出力レーザー砲と、持てる全ての銃口をボドルザーにと合わせられる。
「プロトカルチャーーー!!!!」
 ボドルザーの叫びの中、ミンメイを背に、輝が全ての思いをぶつけるようにトリガーを引いた。

「ウグアアアアアァァァァ…!!」

 彼の持つ全ての銃弾がボドルザーを襲う。肉片が飛び、血飛沫が舞い、…断末魔と共に、跡形もなくすように細切れとなっていく。

 …そして、あの熾烈なる攻撃があったと思えないほどの静寂が訪れた。

 …

 ボドルザーの死が部屋に響くと、…急激に蠕動を開始した。
 この艦が、ボドルザーの体であったかのように、生気を失い、…干からびて崩れ落ちていく。

 制御装置にもなっていたボドルザーを失ったことで、ボドル旗艦は外見よりも変化がおきていた。
 エネルギーバランスを失い、部分では構築物が崩壊し、留まったエネルギーが爆発エネルギーと変わる。
 そして、…その全てが終わった時、残っていたのは、…

 歌によって、文化を取り戻す事を選び、そしてマクロスを守った巨人族と、マクロス…、そして、一条輝の乗るヴァルキリーの姿だけとなった。

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