=第十章・第七部=

=[超時空要塞MACROSS/ゴル・ボドルザー]=

 

 廃墟と化したボドル旗艦の内側は崩れると同時に、中心部の組織自体が崩壊したのだろう。
 輝のヴァルキリーがマクロスの発信あるほうに機体を向けると、マクロスの姿が視認できた。
「…」
 輝がメインモニターのスイッチを入れると、そこに、早瀬未沙の顔が映る。
「スカル1よりデルタ1へ」輝は口元を緩め、彼の言葉を待つ未沙のためにこう告げた。

「…任務完了、これより帰艦します!…」

 輝の通信に、未沙が目元を緩ませ、涙を浮かべる。
 歌いきり、面を上げ、輝の声を聞くミンメイが笑う。
「こちらデルタ1」未沙はただ、彼の生存のうれしさを隠せないように、微笑んだ。
「了解」

 今すぐにでも彼を抱きしめたい衝動にかられながらも、なんとか平静さを保ってみせるように、任務の終了を了承した。

 残っていた巨人族からも歓声が巻き起こる。
 それは、一つの勝利をもぎ取った喜びか。もしくは、戦うことしか知らなかった自分達が文化を手に入れたことへの喜びかは、わからない。
 ただ、歓声に包まれていた。

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