=第十章・第十二部=

=[超時空要塞MACROSS/ゴル・ボドルザー]=

 


  カチャ…

 今日一日、一人で喋るのも空しさを覚えたので、目を閉じようとした時だった。
 部屋のドアが開く。

「エマ…か」
「…」

 俺を一目見た彼女は後ろ手でドアを閉める。

「その様子、終わったようだな…」
「…」

 俺が横になるベッドに隣接した丸椅子に、エマは座り、俺の顔を見る。

「…死んだ方が、君にはよかったかな…」
「…」

 少しだけ驚いたような表情を見せるエマが、少しだけ悲しそうな表情を見せた。

「…」
「冗談は、…言って、…良い時と悪い時…、あると思いますよ」

 こわばる顔のまま、口元だけ苦笑を浮かべ、エマは答えるのに、俺は「すまない」とだけ、返した。

「…」
「…」

 少しだけ息の詰まる思いを感じながらも、俺はエマを見た。

「しばらく、このままだそうだ…付き合わなくてもいいぞ」
「…」

 俺は軽く現状を報告する。

「…」
「先程、部屋を出てきた先生に聞きました」

 それに対して、エマはそう答える。

「…そうか、…」
「…」

 俺はその答えに小さく言葉を漏らすと、エマがいきなり立ち上がる。

「…」
「マクロスが地球へと戻ります。それを、伝えにきました」

 エマは毅然とした表情ながら、涙を浮かべる。
 その顔を見て、俺はある事で胸が苦しいほどに膨れていく。

「…エマ」
「お帰りなさい、アポロリーダー。一緒に、地球へ戻りましょう…」

 エマの言葉に、俺は目を細めた。

「…そうだな…、戻ろう。…地球へ」

 その俺の答えに…エマはうれしそうに笑ってみせたのだった。

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