=第十一章・第二部=

=[超時空要塞MACROSS/その先に…住まうもの]=

 

 人類滅亡間近だったボドル基幹艦隊との戦闘より1年ほどが過ぎた。

「…」俺は一人、支給された地球上の家にいる。夜もふけ、電気もつけないでいる部屋に月光が差し込む。
「そうだな」
 窓で模られた月光に目線だけを向け、…それから、情けなくなった体を見て、笑った。
「いつまでも、しがみつくわけにはいかないな…」
 復旧続くマクロスを中心に広がっていく都市の中央街でもらったチラシが、机の上にあった。
 その横には辞表を書いた包みも置いている。

 …空の憧れは、あるが…あの時ほどの渇望はない。
 死のうという思いがなくなったからだろう。そう、その思いがない今、軍部にへばりつく必要性もない。

 夜分ではあるものの、久しぶりに一条へ連絡を入れるために、受話器を取った。

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